山川 信一

古典

《失恋の嘆き》

題しらす つらゆき いろもなきこころをひとにそめしよりうつろはむとはおもほえなくに (729) 色も無き心を人にそめしより移ろはむとは思ほえなくに 「題知らず 貫之 色も無い心をあの人色に染め始めてから色が変わろうとは思えないのに。」 「そ...
古典

《究極の復讐》

題しらす しもつけのをむね くもりひのかけとしなれるわれなれはめにこそみえねみをははなれす (728) 曇り日の影としなれる我なれば目にこそ見えね身をば離れず 「題知らず 下野雄宗 曇りの日の影となっている私なので、あなたの目には見えないが...
古典

《恋の潮時》

題しらす 小野小町 あまのすむさとのしるへにあらなくにうらみむとのみひとのいふらむ (727) 海人の住む里の標にあらなくにうらみむとのみ人の言ふらむ 「題知らず 小野小町 私は漁師の住む里の案内人でないのに、なぜ浦を見ようと(恨もうと)ば...