山川 信一

古典

《都合のいい解釈》

題しらす よみひとしらす みてもまたまたもみまくのほしけれはなるるをひとはいとふへらなり (752) 見ても又またも見まくのほしければ慣るるを人は厭ふべらなり 「題知らず 詠み人知らず 逢っても何度も逢うことがほしいので、慣れるのを人は嫌う...
古典

《恋人へのぼやき》

題しらす もとかた ひさかたのあまつそらにもすまなくにひとはよそにそおもふへらなる (751) 久方の天つ空にも住まなくに人は余所にぞ思ふべらなる 「題知らず 元方 私は空にも住んでいないのに、人は遠く思っているようだ。」 「久方の」は、「...
古典

《恋をためらう心理》

題しらす 凡河内みつね わかことくわれをおもはむひともかなさてもやうきとよをこころみむ (750) 我が如く我を思はむ人もがなさてもや憂きと世を試みむ 「題知らず 凡河内躬恒 私のように私を思うような人もいてくれたらなあ。それでもつらいかと...