山川 信一

古典

《諦めと慰め》

題しらす 雲林院のみこ ふきまよふのかせをさむみあきはきのうつりもゆくかひとのこころの (781) 吹き迷ふ野風を寒み秋萩の移りも行くか人の心の 「題知らず 雲林院の親王 吹き迷う野の風が寒いので秋萩のように色が変わってもゆくことだなあ、あ...
古典

《関係改善》

仲平朝臣あひしりて侍りけるをかれ方になりにけれは、ちちかやまとのかみに侍りけるもとへまかるとてよみてつかはしける 伊勢 みわのやまいかにまちみむとしふともたつぬるひともあらしとおもへは (780) 三輪の山いかに待ち見む年経とも訪ぬる人もあ...
古典

《住の江の実景》

題しらす 兼覧王 すみのえのまつほとひさになりぬれはあしたつのねになかぬひはなし (779) 住の江のまつほど久になりぬれば葦鶴の音になかぬ日は無し 「題知らず 兼覧王 待つほどがほど久しくなってしまったので、声を出して泣かない日は無い。」...