山川 信一

古典

《中途半端な夫婦関係》

業平朝臣、きのありつねかむすめにすみけるを、うらむることありてしはしのあひたひるはきてゆふさりはかへりのみしけれはよみてつかはしける きのありつねかむすめ あまくものよそにもひとのなりゆくかさすかにめにはみゆるものから (784) 業平朝臣...
古典

《歌の力》

返し 小野さたき ひとをおもふこころのこのはにあらはこそかせのまにまにちりもみたれめ (783) 人を思ふ心の木の葉にあらばこそ風のまにまに散りも乱れめ 「返し 小野貞木 人を思う心が木の葉であるのなら、風のままに散り乱れるのだろうが・・・...
古典

《移ろう言の葉》

題しらす をののこまち いまはとてわかみしくれにふりぬれはことのはさへにうつろひにけり (782) 今はとて我が身時雨にふりぬれば言の葉さへにうつろひにけり 「題知らず 小野小町 もうこれきりと、私の身が時雨に古くなってしまったから、言葉ま...