山川 信一

古典

《色褪せる恋心》

題しらす よみ人しらす よのなかのひとのこころははなそめのうつろひやすきいろにそありける (795) 世中の人の心は花染めのうつろひやすき色にぞありける 「題知らず 詠み人知らず 世の中の人の心は花染めのように移ろいやすい色であったなあ。」...
古典

《恋心の温度差》

題しらす みつね よしのかはよしやひとこそつらからめはやくいひてしことはわすれし (794) 吉野川よしや人こそ辛からめ早く言ひてし事は忘れじ 「題知らず 躬恒 たとえあの人が冷たかろうとしても、私は以前に言ったことは忘れまい。」 「吉野川...
古典

《愛は水無瀬川のごと》

題しらす よみ人しらす みなせかはありてゆくみつなくはこそつひにわかみをたえぬとおもはめ (793) みなせ川有りて行く水なくはこそつひにわか身をたえぬと思はめ 題知らず 詠み人知らず 水無瀬川有りて行く水無くはこそつひに我が身を絶えぬと思...