山川 信一

古典

《鶯の我》

題しらす よみ人しらす われのみやよをうくひすとなきわひむひとのこころのはなとちりなは (798) 我のみや世をうくひすとなき侘びむ人の心の花と散りなば 「題知らず 詠み人知らず 私だけが夫婦仲を鶯のように嫌だ濡れると泣き嘆くのだろうか。人...
古典

《恋心という花》

題しらす 小野小町 いろみえてうつろふものはよのなかのひとのこころのはなにそありける (797) 色見えでうつろふ物は世中の人の心の花にぞありける 「題知らず 小野小町 色が見えないで変わりゆくものは男女の仲の人の心であったのだなあ。」 「...
古典

《失恋の内省》

題しらす よみ人しらす こころこそうたてにくけれそめさらはうつろふこともをしからましや (796) 心こそうたて憎けれそめざらば移ろうことも愛しからましや 「題知らず 詠み人知らず 心が嫌で憎いが、染めなかったら色が変わることも愛おしいだろ...