2024-03

古典

《隠された本音》

題しらす よみ人しらすきみかなもわかなもたてしなにはなるみつともいふなあひきともいはし (649)君が名も我が名も立てじ難波なるみつとも言ふなあひきとも言はじ「題知らず 詠み人知らず「君の噂も私の噂も立てまい。見たとも言うな。逢ったとも言う...
古典

《月光の逢瀬》

題しらす よみ人しらすさよふけてあまのとわたるつきかけにあかすもきみをあひみつるかな (648)さ夜更けて天の門渡る月影に飽かずも君を逢ひ見つるかな「題知らず 詠み人知らず夜が更けて天の川の渡し場を渡る月の光の元これで満足と思わず君を抱いた...
古典

《恋の事情》

題しらす よみ人しらすむはたまのやみのうつつはさたかなるゆめにいくらもまさらさりけり (647)射干玉の闇の現は定かなる夢にいくらも勝らざりけり「題知らず 詠み人知らず真っ暗な現実は、はっきりした夢に少しも勝らなかったなあ。」射干玉(むばた...