2023-09

古典

《虚しき空》

題しらす 読人しらす わかこひはむなしきそらにみちぬらしおもひやれともゆくかたもなし (488) 我が恋は虚しき空に満ちぬらし思ひやれども行く方も無し 「私の恋は大空に満ちてしまったらしい。思いやっても行く先もない。」 「(満ち)ぬらし」の...
古典

《見事なたとえ》

題しらす 読人しらす ちはやふるかものやしろのゆふたすきひとひもきみをかけぬひはなし (487) ちはやぶる賀茂の社の木綿襷ひと日も君をかけぬ日はなし 「賀茂の社の木綿襷のように一日も君を心に掛けない日は無い。」 「ちはやぶる」は、「賀茂の...
古典

《恋の感情》

題しらす 読人しらす つれもなきひとをやねたくしらつゆのおくとはなけきぬとはしのはむ (486) つれもなき人をや妬く白露のおくとは嘆き寝とは忍ばむ 「無情な人を妬ましく、起きては嘆き寝ては忍ぶのだろうか。」 「つれもなき」は、「つれなき」...