2023-09

古典

《忍ぶ恋》

題しらす 読人しらす やまたかみしたゆくみつのしたにのみなかれてこひむこひはしぬとも (494) 山高み下行く水の下にのみなかれて恋ひむ恋ひは死ぬとも 「山が高いので、下を行く水が下にばかり流れる。そのように、私は見えないところで泣かれてあ...
古典

《いかに口説くか》

題しらす 読人しらす たきつせのなかにもよとはありてふをなとわかこひのふちせともなき (493) 滾つ瀬の中にも淀はありてふをなど我が恋の淵瀬ともなき 「水が逆巻く瀬の中にも淀みはあると言うのに、どうして私の恋は淵も瀬も無いのか。」 「てふ...
古典

《恋は秘め事》

題しらす 読人しらす よしのかはいはきりとほしゆくみつのおとにはたてしこひはしぬとも (492) 吉野河岩切り通し行く水の音には立てじ恋ひは死ぬとも 吉野川が岩を切り裂いて行く水のように音には立てまい。恋い死にはしてとも。 「吉野河岩切り通...