2022-06

古典

《女性の七夕》

題しらす そせい こよひこむひとにはあはしたなはたのひさしきほとにまちもこそすれ (181) 今宵来む人には逢はじ七夕の久しき程に待ちもこそすれ 「今夜来る人には逢うまい。織女のように長い間待つことになるといけないから。」 「来む人」の「む...
古典

第百六十八段  老人のたしなみ

年老いたる人の、一事すぐれたる才のありて、「この人の後には、誰にか問はん」など言はるるは、老の方人にて、生けるも徒らならず。さはあれど、それも廃れたる所のなきは、一生この事にて暮れにけりと、拙く見ゆ。「今は忘れにけり」と言ひてありなん。大方...
古典

《華やかな苦しさ》

なぬかの日の夜よめる 凡河内みつね たなはたにかしつるいとのうちはへてとしのをなかくこひやわたらむ (180) 七夕に貸しつる糸の打ちはへて年のを長く恋ひや渡らむ 「七日の日の夜に詠んだ  凡河内躬恒 七夕姫に供えた糸を長く長くと引き延ばす...