古典 第百二十八段 生き物への慈悲 雅房の大納言は、才賢く、よき人にて、大将にもなさばやとおぼしける比、院の近習なる人、「ただ今、あさましき事を見侍りつ」と申されければ、「何事ぞ」と問はせ給ひけるに、「雅房卿、鷹に飼はんとて、生きたる犬の足を斬り侍りつるを、中垣の穴より見侍り... 2022.03.07 古典
古典 《期待されない季節》 題しらす よみ人しらすいつのまにさつききぬらむあしひきのやまほとときすいまそなくなる (140)いつのまに五月来ぬらむあしひきの山郭公今ぞ鳴くなる「いつの間に五月が来てしまっているのだろう。山郭公が今鳴いているのが聞こえることだ。」「来ぬら... 2022.03.05 古典
古典 第百二十七段 兼好の保守性 あらためて益なき事は、あらためぬをよしとするなり。「改めて利益の無いことは、改めないのを良いとするのである。」なるほど、改めて利益が無いことが予めわかっているなら、改めるために手間暇掛けるのは無駄である。言うまでもない。あまりに当たり前であ... 2022.03.04 古典