2022-03

古典

《郭公の声》

題しらす よみ人しらすおもひいつるときはのやまのほとときすからくれなゐのふりいててそなく (148)思ひ出づるときはの山の郭公唐紅のふりいでてぞ鳴く「思い出した時、常磐の山の郭公は、美しい紅色のような声を張り上げて鳴くのだなあ。」「ときは」...
古典

第百三十五段   無邪気な論争

資季(すけすゑ)の大納言入道とかや聞えける人、具氏(ともうぢ)の宰相中将に逢ひて、「わぬしの問はれんほどのこと、何事なりとも答へ申さざらんや」と言はれければ、具氏、「いかが侍らん」と申されけるを、「さらばあらがひ給へ」と言はれて、「はかばか...
古典

《独占欲》

題しらす  よみ人しらすほとときすなかなくさとのあまたあれはなほうとまれぬおもふものから (147)郭公汝が鳴く里のあまたあれば猶疎まれぬ思ふものから「郭公よ、お前が鳴く里が沢山あるので、やはり嫌だと思ってしまう、お前のことを思っているもの...