2022-01

古典

《ダブルイメージ》

しかの山こえに女のおほくあへりけるによみてつかはしける つらゆき あつさゆみはるのやまへをこえくれはみちもさりあへすはなそちりける (115) 梓弓春の山辺を越え来れば道も避り敢へず花ぞ散りける 「滋賀の山越えに女が多く私に出会ったのに詠ん...
古典

第百二段  一目置かれた衛士

尹大納言光忠入道、追儺の上卿をつとめられけるに、洞院右大臣殿に次第を申し請けられければ、「又五郎男を師とするより外の才覚候はじ」とぞ、のたまひける。かの又五郎は、老いたる衛士の、よく公事になれたる者にてぞありける。近衛殿着陣し給ひける時、軾...
古典

《大胆な発想》

仁和の中将のみやすん所の家に歌合せむとしける時によめる そせい をしとおもふこころはいとによられなむちるはなことにぬきてととめむ (114) 惜しと思ふ心は糸に縒られなむ散る花ごとに抜きて留めむ 仁和の中将のみやすん所:光孝天皇の御寝所に仕...