2021-11

古典

《旧都の桜》

ならのみかとの御うた  ならのみかと ふるさととなりにしならのみやこにもいろはかはらすはなはさきけり (90) 故里となりにし奈良の都にも色は変わらず花は咲きけり 「奈良帝の御歌  奈良帝 荒れ果てた古い土地となってしまった奈良の都にも色は...
古典

第七十七段   情報通の法師

世の中にその比人のもてあつかひぐさに言ひあへる事、いろふべきにはあらぬ人の、よく案内知りて、人にも語り聞かせ、問ひ聞きたるこそうけられね、殊にかたほとりなる聖法師などぞ、世の人の上は、わがごとく尋ね聞き、いかでかばかりは知りけんと覚ゆるまで...
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《空に立つ浪》

亭子院歌合歌  つらゆき さくらはなちりぬるかせのなこりにはみつなきそらになみそたちける (89) 桜花散りぬる風の名残には水無き空に浪ぞ立ちける なごり:風がやんだ後、しばらく浪が静まらないこと。 ける:今まで気づかなかった事実に気づいて...