2021-10

古典

《人を桜のたとえに使う》

うりむゐんにてさくらの花をよめる そうく法し いささくらわれもちりなむひとさかりありなはひとにうきめみえなむ (77) いざ桜我も散りなむひと盛りありなば人に憂き目見えなむ なむ:「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形。「む」は未確定の助動詞。...
古典

第六十六段    木の枝に雉を付ける時の作法

岡本関白殿、盛りなる紅梅の枝に、鳥一双をそへて、この枝に付けて参らすべきよし、御鷹飼、下毛野武勝に仰せられたりけるに、「花に鳥付くるすべ、知り候はず。一枝に二つ付くる事も、存知候はず」と申しければ、膳部に尋ねられ、人々に問はせ給ひて、又武勝...
古典

《風の擬人化》

さくらの花のちり侍りけるを見てよみける  そせい法し はなちらすかせのやとりはたれかしるわれにをしへよゆきてうらみむ (76) 花散らす風の宿りは誰か知る我に教えよ行きて恨みむ そせい法し:素性法師。僧正遍昭の子。父の出家により出家させられ...