2019-06

古典

第二十三段 ~その一 幼なじみの恋~

昔、ゐなかわたらひしける人の子ども、井のもとにいでて遊びけるを、おとなになりにければ、男も女もはぢかはしてありけれど、男はこの女をこそ得めと思ふ。女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども聞かでなむありける。 さて、このとなりの男のもとより、...
古典

コーヒーブレイク ~係り結び~

古文の文法に係り結びがあります。現代語には、使われていませんね。その役割って何だと思いますか?これまでにも、少し触れてきました。でも、ここでまとめてみます。1、書き言葉の文体である。(当時も日常こんな風に話していたわけではない。)2、文の結...
古典

第二十二段 ~寄りが戻る~

昔、はかなくて絶えにける仲、なほや忘れざりけむ、女のもとより、 憂きながら人をばえしも忘れねばかつ恨みつつなほぞ恋しきといへりければ、「さればよ」といひて、男、 あひ見では心ひとつをかはしまの水の流れて絶えじとぞ思ふとはいひけれど、その夜い...