古典

誠先生の話

『山月記』では、次の二つのことを学びました。 一つは、李徴のような人物が存在することです。李徴の人物像は、現代のエリートと言われる人たちにも共通しているはずです。そして、誰しも李徴的な一面を持つことです。読むとは、自分を読むことです。作品を...
古典

堪え得ざるが如き悲泣の声

袁傪は叢に向って、懇《ねんご》ろに別れの言葉を述べ、馬に上った。叢の中からは、又、堪《た》え得ざるが如き悲泣《ひきゅう》の声が洩《も》れた。袁傪も幾度か叢を振返りながら、涙の中に出発した。 一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返...
古典

勇に誇ろうとしてではない

そうして、附加《つけくわ》えて言うことに、袁傪が嶺南からの帰途には決してこの途《みち》を通らないで欲しい、その時には自分が酔っていて故人《とも》を認めずに襲いかかるかも知れないから。又、今別れてから、前方百歩の所にある、あの丘に上ったら、此...