古典 第七段 ~センチメンタルジャーニー~ 昔、男ありけり。京にありわびてあづまにいきけるに、伊勢、尾張のあはひの海づらをゆくに、浪のいと白くたつを見て、 いとどしく過ぎゆく方の恋しきにうらやましくもかへる浪かな となむよめりける。 ここまでの段から続けて読むと、「京にありわびて... 2019.05.09 古典
古典 第六段 ~解説の役割~ これは二条の后の、いとこの女御の御もとに、仕うまつるやうにてゐたまへりけるを、かたちのいとめでたくおはしければ、盗みて負ひていでたりけるを、御兄、堀川の大臣、太郎国経の大納言、まだ下﨟にて、内裏へ参りたまふに、いみじう泣く人あるを聞きつけて... 2019.05.08 古典
古典 第六段 その二 ~草の露のようにはかない~ ゆく先おほく、夜もふけにければ、鬼ある所ともしらで、神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる倉に、女をば奥におし入れて、男、弓、胡簗を負ひて戸口にをり、はや夜も明けなむと思ひつつゐたりけるに、鬼はや一口に食ひてけり。「あなや... 2019.05.07 古典