古典

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第十六段 ~その二 友の援助~

思ひわびて、ねむごろにあひ語らひける友だちのもとに、「かうかう、いまはとてまかるを、なにごともいささかなることもえせで、つかはすること」と書きて、奥に、 手を折りてあひ見しことをかぞふれば十といひつつ四つは経にけりかの友だちこれを見て、いと...
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第十六段 ~その一 熟年離婚~

昔、紀有常といふ人ありけり。三代のみかどに仕うまつりて、時にあひけれど、のちは世かはり時うつりにければ、世の常の人のごともあらず。人がらは、心うつくしく、あてはかなることを好みて、こと人にもにず。貧しく経ても、なほ、むかしよかりし時の心なが...
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第十五段 ~旅の恋~

昔、陸奥の国にて、なでふことなき人の妻に通ひけるに、あやしう、さやうにてあるべき女ともあらず見えければ、 しのぶ山しのびてかよふ道もがな人の心のおくも見るべく  女、かぎりなくめでたしと思へど、さるさがなきえびす心を見ては、いかがはせんは。...