古典

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第二十七段 ~たらいの水~ 

昔、男、女のもとに一夜いきて、またもいかずなりにければ、女の、手洗ふところに、貫簀をうちやりて、たらひのかげに見えけるを、みづから、 わればかりもの思ふ人はまたもあらじと思へば水の下にもありけりとよむを、来ざりける男、たち聞きて、 みなくち...
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第二十六段 ~恋愛と友情~

昔、男、五条わたりなるける女をえ得ずなりにけることとわびたりける。人の返りごとに、 思ほえず袖にみなとのさわぐかなもろこし船のよりしばかりに  これも失恋にまつわる話。「え得ず」は〈得ることができない〉。(「え」は打消表現と呼応して、不可能...
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第二十五段 ~色好みの女~

昔、男ありけり。あはじともいはざりける女の、さすがなりけるがもとに、いひやりける。 秋の野にささわけし朝の袖よりもあはで寝る夜ぞひちまさりける色好みなる女、返し、 みるめなきわが身をうらとしらねばや離れなで海人の足たゆく来る 「あはじ」は、...