古典

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第三十段 ~わずかに逢った女~

昔、男、はつかなりける女のもとに、 あふことは玉の緒ばかりおもほえてつらき心の長く見ゆらむ  恋も様々である。わずかに(「はつかなり」)逢うことしかできなかった女もいる。逢うことはできたけれど、女がなかなか逢ってくれない。女は何かが気にいら...
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第二十九段 ~女性を褒める~

昔、春宮の女御の御方の花の賀に召しあづけられたりけるに、 花にあかぬ嘆きはいつもせしかども今日の今宵に似る時はなし「春宮」は〈とうぐう〉と読み、皇太子の意。 「春宮の女御」で、皇太子の母である女御。「女御」は、〈中宮〉と〈更衣〉の間の地位の...
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第二十八段 ~女にふられる~

昔、色好みなりける女、いでていにければ、 などてかくあふごかたみになりにけむ水もらさじとむすびしものを  前段とは対照的に男がフラれる話である。「色好み」は〈恋愛の情趣をわきまえた人〉で、恋愛対象としては理想的な女性。それが男の元を出て行っ...