古典

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第三十六段 ~抗議~

昔、「忘れぬるなめり」と、問ひごとしける女のもとに、 谷せばみ峰まではへる玉かづら絶えむと人にわが思はなくに  この女性は、ストレートな物言いをする。〈あなたはわたしのことを忘れてしまったように見えるわ。〉と言う。「ぬる・な・めり」は、完了...
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第三十五段 ~復縁~

昔、心にもあらで絶えたる人のもとに、 玉の緒をあわ緒によりて結べれば絶えてののちもあはむとぞ思ふ  心ならずも(「心にもあらで」)仲が絶えている人の元に歌を贈った。「人」は〈君〉と違って、少し離れた存在に使う。  性別が書かれていない。男女...
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第三十四段 ~つれない女~

昔、男、つれなかりける人のもとに、 いへばえにいはねば胸にさわがれて心ひとつに嘆くころかな おもなくていへるなるべし。 「つれなかりける」の〈つれなし〉は、現代語の意味と同じ。男が言い寄っても反応が冷たい・素っ気ないのである。そこで、男は、...