古典 第六十九段 ~その二 女の大胆な行動~ つかひざねとある人なれば、遠くも宿さず、女のねや近くありければ、女、人をしづめて、子一つばかりに、男のもとに来たりけり。男はた、寝られざりければ、外の方を見いだしてふせるに、月のおぼろなるに、小さき童をさきに立てて人立てり。男いとうれしくて... 2019.07.29 古典
古典 第六十九段 ~その一 伊勢の斎宮~ 昔、男ありけり。その男、伊勢の国に狩の使ひにいきけるに、かの伊勢の斎宮(いつきのみや)なりける人の親、「つねの使よりは、この人よくいたはれ」といひやれりければ、親の言なりければ、いとねむごろにいたはりけり。あしたには狩にいだしたててやり、ゆ... 2019.07.27 古典
古典 第六十八段 ~充電完了~ 昔、男、和泉の国へいきけり。住吉の郡、住吉の里、住吉の浜をゆくに、いとおもしろければ、おりゐつつゆく。ある人、「住吉の浜とよめ」といふ。 雁鳴きて菊の花さく秋はあれど春のうみべにすみよしのはまとよめりければ、みな人々よまずなりにけり。 昔... 2019.07.26 古典