古典

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第七十八段 ~恋と権力~

昔、多賀幾子と申す女御おはしましけり。うせたまひて、七七日のみわざ、安祥寺にてしけり。右大将藤原の常行といふ人いまそがりけり。そのみわざにまうでたまひて、かへさに、山科の禅師の親王おはします、その山科の宮に、滝落し、水走らせなどして、おもろ...
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第七十七段 ~人生の黄昏~

昔、田邑(たむら)の帝と申すみかどおはしましけり。その時の女御、多賀幾子と申す、みまそがりけり。それうせたまひて、安祥寺にてみわざしけり。人々ささげ物奉りけり。奉り集めたる物、千ささげばかりあり。そこばくのささげ物を木の枝につけて、堂の前に...
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第七十六段 ~昔の恋を偲ぶ~

昔、二条の后の、まだ春宮の御息所と申しける時、氏神にまうでたまひけるに、近衛府(このゑづかさ)にさぶらひけるおきな、人人の禄たまはるついでに、御車よりたまはりて、よみて奉りける、 大原や小塩の山も今日こそは神代のこともおもひいづらめとて、心...