古典

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第七十一段 ~別の女~

昔、男、伊勢の斎宮に、内の御使にてまゐれりければ、かの宮に、すきごといひける女、わたくしごとにて、 ちはやぶる神のいがきもこえぬべし大宮人の見まくほしさに男、 恋しくは来ても見よかしちはやぶる神のいさむる道ならなくに  男が伊勢の斎宮(神殿...
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第七十段 ~後日談~

昔、男、狩の使よりかへり来けるに、大淀のわたりに宿りて、斎宮のわらはべにいひかけける、 みるめ刈るかたやいづこぞ棹さしてわれに教えよあまのつり船  男が狩りの使いから帰ってきたので、大淀の渡し場(ここに斎宮がみそぎをする神社があった。)に宿...
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第六十九段 ~その三 別れ~

野に歩けど、心はそらにて、今宵だに人しづめて、いととくあはむと思ふに、国の守、斎宮の頭(かみ)かけたる、狩の使ありと聞きて、夜ひと夜、酒飲みしければ、もはらあひごともえせで、明けば尾張の国へたちなむとすれば、男も人しれず血の涙を流せど、えあ...