古典

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きらびやかに光り輝く

わたしのちょうは、明るいランプの光を受けて、箱の中から、きらびやかに光り輝いた。わたしたちは、その上に体をかがめて、美しい形や、濃い見事な色を眺め、ちょうの名を言った。 「これは、ワモンキシタバで、ラテン語名はフルネミア。ここらではごく珍し...
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青い夜の色

彼が見せてほしいと言ったので、わたしは、収集の入っている軽い厚紙の箱を取りに行った。最初の箱を開けてみて、もうすっかり暗くなっているのに気づき、わたしは、ランプを取ってマッチをすった。すると、たちまち外の景色はやみに沈んでしまい、窓全体が不...
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はじまり

『少年の日の思い出』              ヘルマン・ヘッセ  高橋健二役  客は、夕方の散歩から帰って、わたしの書斎でわたしのそばに腰かけていた。昼間の明るさは消えうせようとしていた。窓の外には、色あせた湖が、丘の多い岸に鋭く縁取られ...