古典 自分自身におびえながら ちょうを右手に隠して、僕は階段を下りた。そのときだ。下の方からだれか僕の方に上がってくるのが聞こえた。その瞬間に、僕の良心は目覚めた。僕は突然、自分は盗みをした、下劣なやつだということを悟った。同時に、見つかりはしないか、という恐ろしい不安... 2019.12.27 古典
古典 四つの大きな不思議な斑点が僕を見つめた 胸をどきどきさせながら、僕は紙きれを取りのけたいという誘惑に負けて、留め針を抜いた。すると、四つの大きな不思議な斑点が、挿絵のよりはずっと美しく、ずっとすばらしく、僕を見つめた。それを見ると、この宝を手に入れたいという、逆らいがたい欲望を感... 2019.12.26 古典
古典 せめて・・・ せめて例のちょうを見たいと、僕は中に入った。そしてすぐに、エーミールが収集をしまっている二つの大きな箱を手に取った。どちらの箱にも見つからなかったが、やがて、そのちょうはまだ展翅板に載っているかもしれないと思いついた。はたしてそこにあった。... 2019.12.25 古典