古典

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母の指示

悲しい気持ちで、僕は家に帰り、夕方まで、うちの小さい庭の中で腰かけていたが、ついに、一切を母に打ち明ける勇気を起こした。母は驚き悲しんだが、すでに、この告白が、どんな罰をしのぶことより、僕にとってつらいことだったということを感じたらしかった...
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少年の論理

盗みをしたという気持ちより、自分がつぶしてしまった、美しい、珍しいちょうを見ているほうが、僕の心を苦しめた。微妙なとび色がかった羽の粉が、自分の指にくっついているのを見た。また、ばらばらになった羽がそこに転がっているのを見た。それをすっかり...
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不幸が起こった

すぐに僕は、このちょうをもっていることはできない、もっていてはならない、元に返して、できるなら、何事もなかったようにしておかなければならない、と悟った。そこで、人に出くわして見つかりはしないかということを極度に恐れながらも、急いで引き返し、...