山川 信一

古典

荒れ果てた家

よふけてくればところどころもみえず。京にいりたちてうれし。いへにいたりてもんにいるに、つきあかければいとよくありさまみゆ。ききしよりもましていふかひなくぞこぼれやぶれたる。いへにあづけたりつるひとのこころもあれたるなりけり。なかがこそあれ、...
古典

家に至る

よふけてくればところどころもみえず。京にいりたちてうれし。いへにいたりてもんにいるに、つきあかければいとよくありさまみゆ。ききしよりもましていふかひなくぞこぼれやぶれたる。いへにあづけたりつるひとのこころもあれたるなりけり。なかがきこそあれ...
古典

帰京の喜びを歌う

よるになして京にはいらむとおもへばいそぎしもせぬほどにつきいでぬ。かつらがはつきあかきにぞわたる。ひとびとのいはく「このかはあすかがはにあらねば、ふちせさらにかはらざりけり」といひてある人のよめるうた、 「ひさかたのつきにおひたるかつらがは...