2024-10

古典

《権力者の死》

さきのおほきおほいまうちきみをしらかはのあたりにおくりける夜よめる そせい法し  ちのなみたおちてそたきつしらかははきみかよまてのなにこそありけれ (830) 血の涙落ちてぞ滾つ白河は君が世までの名にこそありけれ 「前太政大臣藤原良房を白河...
古典

《妹の突然の死》 巻十六:哀傷哥

いもうとの身まかりにける時よみける 小野たかむらの朝臣 なくなみたあめとふらなむわたりかはみつまさりなはかへりくるかに (829) 泣く涙雨と降らなむ渡り河水勝りなば帰り来るかに 「妹が亡くなった時に詠んだ 小野篁朝臣 泣く涙が雨となって降...
古典

《締めの歌》

題しらす 読人しらす なかれてはいもせのやまのなかにおつるよしののかはのよしやよのなか (828) 流れては妹背の山の中に落つる吉野の川のよしや世中 「題知らず 詠み人知らず 流れては妹背の山の中に落ちる吉野川ではないが、私は泣きながら恋を...