2024-10

古典

《弔問への返歌》

女のおやのおもひにて山てらに侍りけるを、ある人のとふらひつかはせりけれは、返事によめる よみ人しらす あしひきのやまへにいまはすみそめのころものそてのひるときもなし (844) あしひきの山辺に今はすみそめの衣の袖の干る時も無し 「女が親の...
古典

《恋人を慰める》

おもひに侍りける人をとふらひにまかりてよめる たたみね すみそめのきみかたもとはくもなれやたえすなみたのあめとのみふる (843) 墨染めの君が袂は雲なれや絶えず涙の雨とのみふる 「喪に服しておりました人を弔問にいって詠んだ 忠岑 墨染めの...
古典

《実景から内省へ》

おもひに侍りけるとしの秋、山てらへまかりけるみちにてよめる つらゆき あさつゆのおくてのやまたかりそめにうきよのなかをおもひぬるかな (842) 朝露のおくての山田かりそめに憂き世中を思ひぬるかな 「喪に服しておりました年の秋、山寺へ行った...