2024-09

古典

《恋への感慨》

題しらす よみ人しらすあはれともうしともものをおもふときなどかなみたのいとなかるらむ (805)あはれとも憂しともものを思ふ時などか涙のいとながるらむ「題知らず 詠み人知らず胸がいっぱいでもつらくても恋にもの思いする時、どうして涙が暇なくひ...
古典

《初雁の声さえも》

題しらす きのつらゆきはつかりのなきこそわたれよのなかのひとのこころのあきしうけれは (804)初雁のなきこそ渡れ世の中の人の心のあきし憂ければ「題知らず 紀貫之初雁が鳴き渡るように泣き続けているけれど・・・。恋仲の人の心の秋がつらいから。...
古典

《秋の田の稲》

題しらす そせい法しあきのたのいねてふこともかけなくになにをうしとかひとのかるらむ (803)秋の田の稲てふこともかけなくに何を憂しとか人の離るらむ「題知らず 素性法師秋の田の「稲」ではないが「往ね」という言葉も掛けないのに、何を嫌と言って...