2024-09

古典

《恋の見栄》

題しらす よみ人しらすそれをたにおもふこととてわかやとをみきとないひそひとのきかくに (811)それをだに思ふ事とて我が宿を見きとな言ひそ人の聞かくに「題知らず 詠み人知らずそれだけを思うこととして。我が家を見たと言わないでくれ。人が聞くこ...
古典

《外聞を気にする心理》

題しらす  伊勢ひとしれすたえなましかはわひつつもなきなそとたにいはましものを (810)人知れず絶えなましかば侘びつつも無き名ぞとだに言はましものを「題知らず 伊勢人に知られず絶えてしまったなら、つらく思いながらも身に覚えがない噂だとだけ...
古典

《理性と感情》

寛平御時きさいの宮の歌合のうた すかののたたおむつれなきをいまはこひしとおもへともこころよわくもおつるなみたか (809)つれなきを今は恋ひじと思へども心弱くも落つる涙か「寛平の御時の后の宮の歌合の歌 菅野忠臣つれない人を今は恋すまいと思っ...