2024-09

古典

《荒らすだけ》

題しらす よみ人しらす あらをたをあらすきかへしかへしてもひとのこころをみてこそやまめ (817) 荒を田を荒ら鋤き返し返しても人の心を見てこそ止まめ 「題知らず 詠み人知らず 荒れた田を荒く鋤き返すように繰り返しても人の心を見て止めようと...
古典

《恋の恨み》

題しらす よみ人しらす わたつみのわかみこすなみたちかへりあまのすむてふうらみつるかな (816) 海神の我が身越す波立ち返り海人の住むてふうらみつるかな 「題知らず 詠み人知らず 海の私の身を越す波が立ち返り漁師が住むという浦見るように恨...
古典

《自己発見》

題しらす よみ人しらす ゆふされはひとなきとこをうちはらひなけかむためとなれるわかみか (815) 夕されば人無き床を打ち払ひ嘆かむためとなれる我が身か 「題知らず 詠み人知らず 夕方になると、人の無い床を払いのけて、嘆くためとなるであろう...