2024-08

古典

《嫌な秋風》

題しらす よみ人しらす こぬひとをまつゆふくれのあきかせはいかにふけはかわひしかるらむ (777) 来ぬ人を待つ夕暮れの秋風はいかに吹けばか侘しかるらむ 「題知らず 詠み人知らず 来ない人を待つ夕暮れの秋風はどんなふうに吹くから、つらく悲し...
古典

《季節を超えて》

題しらす よみ人しらす うゑていにしあきたかるまてみえこねはけさはつかりのねにそなきぬる (776) 植ゑて往にし秋田苅るまで見え来ねば今朝初雁の音にぞなきぬる 「題知らず 詠み人知らず 植えていった秋田を苅るまで逢いに来なかったので、今朝...
古典

《月夜を厭う女心》

題しらす よみ人しらす つきよにはこぬひとまたるかきくもりあめもふらなむわひつつもねむ (775) 月夜には来ぬ人待たる掻き曇り雨も降らなむ侘びつつも寝む 「題知らず 詠み人知らず 月夜には来ない人が待たれる。掻き曇り雨も降ってほしい。つら...