2024-07

古典

《取るに足りない存在》

題しらす 寵 やまかつのかきほにはへるあをつつらひとはくれともことつてもなし (742) 山賤の垣穂に生える青葛人はくれども言伝も無し 「題知らず 寵 樵の家の垣の先に生える青葛の蔓を繰るように人は来るけれど、伝言もない。」 「山賤の垣穂に...
古典

《荒れた心》

題しらす  伊勢 ふるさとにあらぬものからわかためにひとのこころのあれてみゆらむ (741) 故里にあらぬものから我がために人の心の荒れて見ゆらむ 「題知らず 伊勢 故里ではないのに、私のためになぜ人の心が荒れて見えているのだろう。」 「(...
古典

《思いの丈》

中納音源ののほるの朝臣のあふみのすけに侍りける時、よみてやれりける  閑院 あふさかのゆふつけとりにあらはこそきみかゆききをなくなくもみめ (740) 相坂の木綿付け鶏にあらばこそ君が行き来を泣く泣くも見め 「中納言源昇の朝臣が近江の介でご...