2024-07

古典

《恋人へのぼやき》

題しらす もとかた ひさかたのあまつそらにもすまなくにひとはよそにそおもふへらなる (751) 久方の天つ空にも住まなくに人は余所にぞ思ふべらなる 「題知らず 元方 私は空にも住んでいないのに、人は遠く思っているようだ。」 「久方の」は、「...
古典

《恋をためらう心理》

題しらす 凡河内みつね わかことくわれをおもはむひともかなさてもやうきとよをこころみむ (750) 我が如く我を思はむ人もがなさてもや憂きと世を試みむ 「題知らず 凡河内躬恒 私のように私を思うような人もいてくれたらなあ。それでもつらいかと...
古典

《後悔》

題しらす 藤原かねすけの朝臣 よそにのみきかましものをおとはかはわたるとなしにみなれそめけむ (749) 余所にのみ聞かましものを音羽川渡るとなしにみなれ初めけむ 「題知らず 藤原兼輔の朝臣 余所にのみ聞ているのだったのに、どうして音羽川を...