2024-06

古典

《未練》

題しらす よみ人しらす わすれなむとおもふこころのつくからにありしよりけにまつそこひしき (718) 忘れなむと思ふ心のつくからに有りしより異にまづぞ恋しき 「題知らず 詠み人知らず 忘れてしまおうと思う心が付くやいなや、以前よりいっそうま...
古典

《いい思い出に》

題しらす よみ人しらす あかてこそおもはむなかははなれなめそをたにのちのわすれかたみに (717) 飽かでこそ思はむ仲は離れなめそをだに後の忘れ形見に 「題知らず 詠み人知らず 飽きないで思い合っている仲は離れてしまった方がいい。それをせめ...
古典

《別れの言い訳》

題しらす よみ人しらす うつせみのよのひとことのしけけれはわすれぬもののかれぬへらなり(716) 空蝉の世の人言の繁ければ忘れぬものの離れぬべらなり 「題知らず 詠み人知らず 儚い世間の噂が多いから、あなたを忘れないのに離れてしまいそうだ。...