2024-06

古典

《皮肉の誇張表現》

題しらす  伊勢 わたつみとあれにしとこをいまさらにはらははそてやあわとうきなむ (733) 海神と荒れにし床を今更に掃はば袖や泡と浮きなむ 「題知らず 伊勢 海と荒れてしまった寝床を今更塵を払ったら、袖が泡と浮いてしまうだろうか。」 「(...
古典

《恋の再開》

題しらす よみ人しらす ほりえこくたななしをふねこきかへりおなしひとにやこひわたりなむ (732) 堀江漕ぐたな無し小舟漕ぎ帰り同じ人にや恋ひ渡りなむ 「題知らず 詠み人知らず 堀江を漕ぐ舟棚も無い小舟が漕いでは元に戻るように同じ人に恋い続...
古典

《再会》

題しらす よみ人しらす かけろふのそれかあらぬかはるさめのふるひとなれはそてそぬれぬる (731) 陽炎のそれかあらぬか春雨のふるひとなれば袖ぞ濡れぬる 「題知らず 詠み人知らず 陽炎が有るのか無いのか。春雨が降る日の古る人なので、袖が濡れ...