2024-06

古典

《精一杯の皮肉》

右のおほいまうちきみすますなりにけれは、かのむかしおこせたりけるふみともをとりあつめて返すとてよみておくりける 典侍藤原よるかの朝臣 たのめこしことのはいまはかへしてむわかみふるれはおきところなし (736) 頼め来し言の葉今は返してむ我が...
古典

《恋の復活》

人をしのひにあひしりてあひかたくありけれは、その家のあたりをまかりありきけるをりに、かりのなくをききてよみてつかはしける 大伴くろぬし おもひいててこひしきときははつかりのなきてわたるとひとしるらめや (735) 思ひ出でて恋しき時は初雁の...
古典

《変わらない自分》

題しらす つらゆき いにしへになほたちかへるこころかなこひしきことにものわすれせて (734) 古に猶立帰る心かな恋しきことに物忘れせで 「題知らず 貫之 昔にやはり立ち返る心だなあ。恋しいことに物忘れしないで。」 「(心)かな」は、終助詞...