2024-05

古典

《待つわ》

題しらす よみ人しらす きみこすはねやへもいらしこむらさきわかもとゆひにしもはおくとも (693) 君来ずは閨へも入らじ濃紫我が元結ひに霜は置くとも 「題知らず 詠み人知らず 君が来ないなら、寝室へも入るまい。濃紫色の私の元結いに霜が置いて...
古典

《恋の駆け引き》

題しらす よみ人しらす つきよよしよよしとひとにつけやらはこてふににたりまたすしもあらす (692) 月夜よし夜よしと人に告げやらばこてふに似たり待たずしもあらず 「題知らず 詠み人知らず 月がよい、夜がよいと人に言ってやるなら、来なさいと...
古典

《誠実と不誠実》

題しらす そせいほうし いまこむといひしはかりになかつきのありあけのつきをまちいてつるかな (691) 今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな 「題知らず 素性法師 あなたが直ぐ行くよと言ったばかりに、私は九月の有明の月を待...