2024-05

古典

《藤波の人》

題しらす よみ人しらす みよしののおほかはのへのふちなみのなみにおもははわかこひめやは (699) み吉野の大川の辺の藤波の並に思はば我が恋ひめやは 「題知らず 詠み人知らず み吉野の大川の辺りの藤波ではないが、あなたを並に思うなら私が恋す...
古典

《恋の苦しみ》

題しらす ふかやふ こひしとはたかなつけけむことならむしぬとそたたにいふへかりける (698) 恋しとは誰が名付けけむ言ならむ死ぬとぞただに言ふべかりける 「題知らず 深養父 恋しいとは誰が名付けた言葉なのだろう。死ぬと直接言うべきであった...
古典

《恋心のスケール》

題しらす つらゆき しきしまのやまとにはあらぬからころもころもへすしてあふよしもかな (697) 敷島の大和にはあらぬ唐衣頃も経ずして逢ふ由もがな 「題知らず 貫之 日本の奈良ではない唐、その唐衣ではないが、頃を経ないで逢う方法があったらな...