2024-02

古典

《雪に託す》

題しらす/この歌は、ある人のいはく、柿本人麿か歌なり あはぬよのふるしらゆきとつもりなはわれさへともにけぬへきものを (621) 逢はぬ夜の降る白雪と積もりなば我さへ共に消ぬべきものを 「題知らず/この歌は、或る人の言うことには、柿本人麻呂...
古典

《男の未練》

題しらす よみ人しらす いたつらにゆきてはきぬるものゆゑにみまくほしさにいさなはれつつ (620) 徒らに行きては来ぬるものゆゑに見まくほしさに誘はれつつ 「題知らず 詠み人知らず 甲斐も無く行っては帰って来てしまうものなのに、逢いたさに何...
古典

《身と心》

題しらす よみ人しらす よるへなみみをこそとほくへたてつれこころはきみかかけとなりにき (619) 寄る辺無み身をこそ遠く隔てつれ心は君が影となりにき 「題知らず 詠み人知らず 拠り所が無いので身を遠く隔ててしまったが、心は君の影となってし...