2023-01

古典

《自然と心情》

題しらす よみ人しらす あきかせにあへすちりぬるもみちはのゆくへさためぬわれそかなしき (286) 秋風に敢へず散りぬる紅葉葉の行方定めぬ我ぞ悲しき 「秋風に持ちこたえられず散ってしまった紅葉葉のように行方を定めない私こそが悲しいことだなあ...
古典

《偲ぶよすが》

題しらす よみ人しらす こひしくはみてもしのはむもみちはをふきなちらしそやまおろしのかせ (285) 恋しくは見ても偲ばむ紅葉葉を吹きな散らしそ山颪の風 「恋しくなったならば、見ても偲ぼうと思う紅葉葉を吹き散らしてくれるな、山颪の風よ。」 ...
古典

《重層的美》

題しらす/又は、あすかかはもみちはなかる よみ人しらす(一説、人丸) たつたかはもみちはなかる神なひのみむろのやまにしくれふるらし (284) 竜田川紅葉葉流る神なびの御室の山に時雨降るらし 「竜田川は紅葉した葉が流れる。神が鎮座する御室の...