2022-11

古典

《秋の野原》

仁和のみかとみこにおはしましける時、ふるのたき御覧せむとておはしましけるみちに遍昭かははの家にやとりたまへりける時に、庭を秋ののにつくりておほむ物かたりのついてによみてたてまつりける  僧正遍昭 さとはあれてひとはふりにしやとなれやにはもま...
古典

第二百三十四段  問答の心得

人のものを問ひたるに、「知らずしもあらじ、ありのままに言はんはをこがまし」とにや、心惑はすやうに返事したる、よからぬ事なり。知りたる事も、なほさだかにと思ひてや問ふらん。又、まことに知らぬ人もなどかなからん。うららかに言ひ聞かせたらんは、お...
古典

《露草の可憐さ》

題しらす よみ人しらす つきくさにころもはすらむあさつゆにぬれてののちはうつろひぬとも (247) 月草に衣は摺らむ朝露に濡れての後は移ろひぬとも 「私の着物は露草の花で摺って染めよう。朝露に濡れたその後は、たとえ色が褪せてしまったとしても...