2022-09

古典

《蜘蛛の糸という脇役》

是貞のみこの家の歌合によめる 文屋あさやす あきののにおくしらつゆはたまなれやつらぬきかくるくものいとすち (225) 秋の野に置く白露は玉なれや貫き抜き掛くる蜘蛛の糸筋 「是貞親王の家の歌合で詠んだ  文屋朝康 秋の野に置く白露は真珠だな...
古典

第二百十一段  心を限定しない

よろづの事は頼むべからず。愚かなる人は、深くものを頼むゆゑに、恨み怒る事あり。勢ひありとて頼むべからず。こはきもの先づほろぶ。財多しとて頼むべからず。時の間に失ひやすし。才ありとて頼むべからず。孔子も時に遇はず。徳ありとて頼むべからず。顔回...
古典

《萩の落花》

題しらす よみ人しらす はきかはなちるらむをののつゆしもにぬれてをゆかむさよはふくとも (224) 萩が花散るらむ小野の露霜に濡れてを行かむさ夜は更くとも 「萩の花が今ごろ散っているだろう小野、その露に濡れて行こう。夜は更けても。」 「萩が...