古典 第百七十段 交際の心得 さしたる事なくて人のがり行くは、よからぬ事なり。用ありて行きたりとも、その事果てなば、とく帰るべし。久しく居たる、いとむつかし。人のむかひたれば、詞多く、身も草臥(くたび)れ、心も閑ならず。万の事障りて時を移す、互ひのため益なし。いとはしげ... 2022.06.13 古典
古典 《七夕の終わり》 なぬかの夜のあかつきによめる 源むねゆきの朝臣 いまはとてわかるるときはあまのかはわたらぬさきにそてそひちぬる (182) 今はとて別かるる時は天の河渡らぬ先に袖ぞ漬ちぬる 「七日の夜の暁に詠んだ 源宗于の朝臣 今はこれまでと別れる時は、... 2022.06.11 古典
古典 第百六十九段 「何々式」の起源 「何事の式といふ事は、後嵯峨の御代までは言はざりけるを、近きほどよりいふ詞なり」と人の申し侍りしに、建礼門院の右京大夫、後鳥羽院の御位の後、又内裏住みしたる事をいふに、「世のしきもかはりたる事はなきにも」と書きたり。 後嵯峨の御代:仁治三年... 2022.06.10 古典