古典 第四十段 不自然なのは何か 因幡国に、何の入道とかやいふ者の娘、かたちよしと聞きて、人あまた言ひわたりけれども、この娘、ただ栗をのみ食ひて、更に米のたぐひを食はざりければ、「かかる異様のもの、人に見ゆべきにあらず」とて、親許さざりけり。 「因幡国に住む、何とか入道とか... 2021.08.06 古典
古典 《咲き初めからの心配》 人の家にうゑたりけるさくらの花さきはしめたりけるを見てよめる つらゆき ことしよりはるしりそむるさくらはなちるといふことはならはさらなむ (49) 今年より春知り初むる桜花散るといふ事は習はざらなむ なむ:・・・してほしい。願望の終助詞。... 2021.08.05 古典
古典 第三十九段 人間は自然体でいい 或人、法然上人に、「念仏の時、睡にをかされて行を怠り侍る事、いかがして、この障りをやめ侍らん」と申しければ、「目のさめたらんほど、念仏し給へ」と答へられたりける、いと尊かりけり。又、「往生は、一定と思へば一定、不定と思へば不定なり」と言はれ... 2021.08.04 古典