古典 《手が届かない急流の桜》 題しらす よみ人しらす いしはしるたきなくもかなさくらはなたをりてもこむみぬひとのため (54) 石走る瀧無くもがな桜花手折りても来む見ぬ人のため いしばしる:水が岩の上を激しく流れる。 たき:急流。早瀬。 もがな:・・・であったらなあ。... 2021.08.17 古典
古典 第四十四段 笛を吹く貴公子 あやしの竹の編戸のうちより、いと若き男の、月影に色あひさだかならねど、つややかなる狩衣に、濃き指貫、いとゆゑづきたるさまにて、ささやかなる童ひとりを具して、遥かなる田の中の細道を、稲葉の露にそほちつつ分け行くほど、笛をえならず吹きすさびたる... 2021.08.16 古典
古典 《惟喬親王を慰める》 なきさの院にてさくらを見てよめる 在原業平朝臣 よのなかにたえてさくらのなかりせははるのこころはのとけからまし (53) 世中に絶えて桜の無かりせば春の心はのどけからまし 「渚の院で桜を見て詠んだ 在原業平朝臣 世の中に全く桜がなかった... 2021.08.14 古典