古典 第四十九段 速やかに仏道修行をせよ 老来りて、始めて道を行ぜんと待つことなかれ。古き墳、多くはこれ少年の人なり。はからざるに病をうけて、忽ちにこの世を去らんとする時にこそ、はじめて過ぎぬるかたのあやまれる事は知らるなれ、あやまりといふは、他の事にあらず。速かにすべき事をゆるく... 2021.08.27 古典
古典 《春霞に見紛うばかりの美しさ》 をれるさくらをよめる つらゆき たれしかもとめてをりつるはるかすみたちかくすらむやまのさくらを (58) 誰しかもとめて折つる春霞立ち隠すらむ山の桜を 誰しかもとめて:「じ」は、強意の副助詞。「かも」は、係助詞で疑問。係り結びになっていて... 2021.08.26 古典
古典 第四十八段 故実に合った行為 光親卿、院の最勝講奉行してさぶらひけるを、御前へ召されて供御を出されて食はせられけり。さて食ひちらしたる衝重を御簾の中へさし入れて罷り出でにけり。女房、「あなきたな、誰に取れとてか」など申しあはれければ、「有職のふるまひ、やんごとなき事なり... 2021.08.25 古典